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母の日

母の日

母の日エッセイアイキャッチ

初期から支えてくれているスタッフから
お花が届いた。

私のイメージに合わせて、
友人のフラワーアーティストに相談してくれたと言う。
朽ちゆく様も美しく、毎日眺めている。

母の日2

—————-❄︎

今日は母の日だ。
母の日によく思い出すエピソードがある。

「返してきなさい」

一度だけ
妹と共に母の日を祝おうとした事がある。
残していたお年玉で こっそり
母の日のプレゼントを用意したのだ。

「いらん。返してきなさい」

それが母の第一声で
あまりにも想定外で今でもよく覚えている。

驚きと恥ずかしさ、
寂しい というか 淋しかった。

「気に入らなかった?」

理由や説明、教訓めいた事を言わない人なので
繰り返し考えて今では
母の想いを概ね理解している。つもりだ。

超が付くほど倹約家の母は
自分にお金を使う事は まるで罪であるかのように
質素でいる。
いつかの母の日のプレゼントも
「そんなお金は取っておきなさい」
という事だったのだろう。

母は父や他人には惜しまない。
ただ、私達には厳しかった。

学生までの間に物質的な何かを与えて貰う事は
少なくて 同級生が羨ましい事は何度もあった。

しかし
社会に出てからの方が人生の節目節目に
充分な事をしてくれた。本当にとても充分に。
専業主婦ながら家も2軒建てた。
母は偉大だ。

今は少し違った感覚がある。
また
今だからこそ分かる事がある。

「いらん。返してきなさい」
が強烈過ぎて 以降 似顔絵や母の日の手紙的なものを
書いた記憶がない。
そういったものは別かなと思いかけたが
いや、おそらくそうでもない。

母は人から何かをしてもらう事がとても苦手なのだ。
とりあえず喜ぶフリも下手だ。
少しの親孝行も簡単には許してくれない。

某ブランドのバックも財布も仕舞い込んだまま
使っているのは見た事がない。
旅行も行きたがらない。

そのくせ
「たまには ばぁっと贅沢したいわぁ」

「何にもしていらんよ」
というのはは セットでデフォルト。口だけだ。

その性質は多少受け継いでしまい
他人の好意とその対価について常に
推し量ってしまう節があった。

それに気が付き やめて過ごすようになって
私はやっと結婚できた。
今は夫に甘え倒し 割と幸福に過ごしている。
プレゼントもサプライズも大歓迎だ。

母は幸せだろうか?

「倹約家」という所は受け継がなかった為
私は好奇心に動かされるまま好きな事を追求し
後にそれが仕事へと繋がっている。

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「何もいらない」
と毎回言われつつ 今年も聞いてみた。

そうすると
「日焼け止めが欲しい」
と返ってきた。

3年がかりでやっと完成し、
先月ローンチした私が作った日焼け止めだ。
普段から化粧気の無い母だから
興味が無いかと思っていた。

「そんな ええもん 貰ってええん?」
と言うから
「毎日1箱ずつ送るわ」

と返して幸せな気分になった。
プレゼントは喜ぶに限る。

母の日3

—————-❄︎

そうそう、
お花を送ってくれたスタッフは
今年 母になった。

いつも控えめな彼女が
妊娠から出産に至るまでの戸惑いと喜び
心の機微を
「誰かの参考になれば」
と綴っていたのを読んでとても心が動いた。

そして私の名前の一字を取ってくれた。
驚きと共に身の引き締まる想いだ。
恥じないように生きて行かねば。

私は父の一文字を受け継いでいるが
母もそう思ったのかも知れない。

近いうちに
雪月ちゃんを抱っこするのを楽しみにしている。

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#母の日
#エッセイ
#ゆきのこばなし