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新しい歩み vo.7

新しい歩み

新しい歩み07エッセイアイキャッチ

初恋
( #ゆきのこばなし68話 の続きの話)

テレビに現役の中高生達が出ている。

中学生時代かぁ。


中学生になった私は
相変わらず 勉強も運動も良くできたが
相変わらず 天然パーマで 更に横に大きくなり
相変わらず ヒエラルキーの下層にいた。

しかし、程なくダイエットを開始する。
本格的な初恋をしたのだ。

二学年先輩のバスケットボール部のエースで
成績も良く 生まれつき茶髪の塩顔イケメンだ。
田舎の学校には 似つかわしくない爽やかさで
女生徒達を虜にしていた。

いつもキラキラメンバーに囲まれ私の出る幕はない。
少しでも目に留めて貰おうと
初めて自分の容姿に気を配るようになる。

ダイエットと言っても やり方が分からず
思考を凝らした末 手持ちのベルトをきつく締める…
という手法を思いついた。

止まらない食欲を抑え
手っ取り早く痩せて見える(無理矢理なくびれ)
効果を狙ったものだ。
中国の纏足みたいなイメージだ。

これは意外に効果があり
胃を締めるのですぐお腹一杯になる。
穴がゆるくなればまた穴を開けその分締める。

今考えると お腹の贅肉が移動しているだけなのだが
調子に乗ってどんどんベルトを締めていった。
もちろん制服の下にもいつも仕込んでいる。

しかし肝心な先輩とは全く接点がなく
卒業までに一言ぐらい会話してみたいと思いつつ
いつもそっと見ているだけだった。

けれど 最大にして最後のチャンス がやってきた。

勉強だけは良くできた私は
先輩の卒業式に 在校生代表として送辞を読む。
という大役を仰せつかる。
同じく答辞を読む 憧れの先輩に近付ける
最大のチャンスだ。

しかしそれが事件となる。

当日緊張しすぎた私はその大舞台の壇上で
過呼吸気味となり 締めすぎたベルトが
真っ二つにちぎれ 弾き飛び 片方が
先輩のところへ飛んでいったのだ。

その光景は今でもスローモーションで
心に焼き付いている。

「穴があったら入りたい」というのはこの事だ。
いつ思い出しても わーわーわー って言いたくなる。
そしてその直後のことはあまり覚えていない。

思春期の入り口の赤っ恥体験だ。

あれから随分経った。
もちろん 先輩とは何の進展もなく
懐かしくも切ない青春の 1ページ となっている。

そうそう。
中高生の流行語ではこういう話を
「エモい」というそうだ。

なんか語感がイマイチだな…と思ったが
「ああ、エモーショナルの略ね」
と納得した瞬間に 食べていたおせんべいが
滑り落ちた。
もうすぐ夕食の時間だ。

仕事を辞めて
好きな時間に好きなものを好きなだけ
食べれる様になった。

やばい。
久しぶりにダイエットベルトの出番かも知れない。

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