祝辞
「今日は絶対に必要な物しか買わないぞ」
無くなった化粧品を買いにデパートへ行く。
「この新しいお色もよくお似合いですよ」
なのに 美容部員さんにそう微笑まれると
「じゃあ それもください」
と つい言ってしまう。
「こいつ おだてるとすぐ買うタイプだな」
と即座に見抜かれているような気がしてならない。
そう言えば 。
会社員時代 何百人と面接をしたが
人の第一印象、ひいては合否のジャッジは
3秒ぐらいで下していた。
履歴書など ほとんど見ない。勘だ。
勘=経験値 だから
数を重ねるほどに判定は早まる。
複数人の面接官がいても意見が分かれる事は 稀だ。
人は誰しも無意識に
物事や場所に応じて 勘を働かせて過ごしている。
人生は 判断と選択 の連続だ。
「理由はないけど 嫌だな・あるいは好きだな」
「こうした方がいいな・いやこれを買おう」
の裏には経験によって蓄積された
人それぞれのデータがあるのだ。
4月に入った。
明日から新しい事が始まる人も多いだろう。
心地よく自分のやりたい事に邁進する為には
最初も割と肝心だ。
長くなるから今年も餞に一つだけ。
都合良く使われるのは 実は
頭が良くて空気が読める真面目な良い人 だ。
出来不出来、言ってる事の正誤 はあまり関係ない。
気を付けろ。早めに見抜かれるぞ。
期待に応えようとし過ぎない事も肝心だ。
さて、今日はこの後 主人と待ち合わせだ。
調子に乗って買い足した化粧品が
1つではなく3つである事は
ひとまず ナイショにしようと判断した。