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新しい歩み vo.4 

新しい歩み

新しい歩み4エッセイアイキャッチ

嫌なセンパイ

最近。
気の優しい後輩を厳選し 冗談や愚痴を言いまくり
「その通りですね!」とか
「まだ全然大丈夫ですよ!」とか
「先輩て ほんと面白いですね!」
と言わせる ネガパワハラ を繰返している。

理由は明確だ。
仲良かった先輩が 突然会社を辞めたからだ。
「何があったのだろう?」
事前に何も知らされていない。心配だ。

今日 久々に会う。
言いたい事や聞きたい事が山盛りだ。

世間話もそこそこに、
「何で辞めたんですか?」

……とは聞きづらかったので
「新しい仕事どうですか?」
と切り出した。

すると その質問待ってました とばかりに
神妙に携帯を取り出し一枚の写真を見せる。
「これ見てよ」

写真には
大きなかき揚げ天麩羅の乗ったうどんが写っている。
「ヤバイでしょ。社食メシ。これで260円」
と相当 得意気に言う。
「でも。」
続けてこうも言う。
「あなたには 食べきれないわね」

思わず爆笑する。
思い出した。
この人のこういうところに救われてきたのだ。

結局、辞めた理由は聞かなかった。
いや、聞けなかったのだ。

その後 いつも通り時間は楽しく過ぎた。
笑い過ぎて腹筋が崩壊しそうだ。

そして。帰り道 突然涙が出てきた。

彼女は数少ない尊敬する先輩だった。
男女問わず人望があり、
そのまま行けば順当に出世したに違いない

もっと一緒に仕事をしたかった。
できれば付いて行きたいくらいだ。

でも、彼女は。
私が今の仕事に向いている と知っている。
辞めた理由を知らない方が私の為だ と知っている。
だから、言わなかったのだ。

私が言うのも何なんだが。
明日出社したら。気の優しい後輩に。

上司だと言うだけでヨイショしなくてもいいのだ。
忠誠を誓う人物ぐらい自分の感性で決めろ。

と言ってあげようと思う。

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