新しい商品の発売日にコスメカウンターに走る。
なんでも 水に強いウォータープルーフではなく
キスしても落ちない キスプルーフ という口紅だ。
ミーハーな私は完全にネーミング落ちで
頭の中はお花畑だ。
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2回目のデートで年下の彼に
「もう少し一緒にいたい」と迫られる。
「続きはまた今度ね」
と 額に軽くキスをして颯爽と立ち去る。
あるいは。
年上の彼に別れ際のキスをねだる。
古風な彼は恥ずかしいので
「僕は全然いいんだけれど
君のそんな姿を見られるのは勿体無いなぁ」
と優しく諭すが 根負けして軽いキスをしてくれる…。
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ニタニタと気持ち悪い笑みを浮かべながら
入手した 口紅と妄想 を披露していると
口の悪い後輩にイジられる。
「え?先輩 全然必要ないじゃないですかー」
「失礼な。どう言う意味よ」
備えあれば憂いなし だ。
確かに今は長時間化粧直しができない時の
お助けアイテムと化している。
あくまでも。今のところは。