「固くて開けられない瓶が家にあるんだけど…」
好きな男とデートに漕ぎ付けた。
とっておきの台詞を言ってみる。
……成功した事は…まだない。
1回目は 丁寧に開け方を教えられた。
2回目は 持って来たらいつでも と言われる始末だ。
「ちょっと そこ座りなさい」
嘆いていると また恋愛マスターのお説教が始まる。
残念ながら その人は王子様にはならなかった。
ハチミツの瓶は開けられないままだ。
まあ、いい。次の手を考えよう。
このイベントのタイトルは私がつけた。
「of fate…」
いつかは ひとりでいいから 言わせたい。
運命の女 とまではいかなくても。
せめて、出逢えてよかった と。
母であっても 妻であっても。
干物女でも 恋愛音痴でも。女は女。
少々身繕いしておこう。
明日には。
記憶に残る女 になるための手仕事が出会う。
…開演の時間だ。