「華屋:mijikabana」
髪の毛が総立ちしそうな細かい仕事が終わった。
「世の中の大切な事は大体面倒くさいんだ」
宮崎駿氏の言葉を胸になんとか乗り切る。
ご褒美を買って帰ろう。
この華屋はそのものが異空間だ。
違う空気が流れ、半歩浮いた気分になる。
贈り物も、自宅の花も此処で頼むが
細かな注文はいらない。腕は確かだ。
雰囲気を、ちらり伝えるだけで想像以上になる。
先日。
「嬉しくない褒め言葉がある」という話をしたら。
「分かる。私もある」と すぐさま彼女が応じる。
違う言葉だが、理由は同じ。
理解してもらえたのは初めてで驚く。
やっぱり。共感力も高いのだ。
希望やイメージを読み取り 想いまで加えて作品にする
仕入れから配達までひとりで全てをこなし
それは大変な筈なのに。
一切の妥協がない。
自分の表現したもので勝負をしている人を尊敬する。
店主は今日も。
面倒くさい事を楽しそうにやっている。
この冬。私の敬愛する手仕事場が出逢う。