Source of energy
友人が泣いている。
彼の浮気が発覚したそうだ。
慰めながら思い出した。
恋人と登山中、熊蜂達に襲われた事がある。
何もない山頂で 咄嗟に 盾 にされ死にかけた。
何年かを共に過ごし、将来を考えていた男だ。
ついでに思い出した。
悪しからず思っていた男が 別れ際、
辺りを見渡し 不審な人物がいないか 確かめていた。
感動しかけたら、帰りの自分の心配だった。
鈍感な私もさすがに傷つき
「そこは嘘でも私の心配のフリだよね」と訴えると
「だって君は大丈夫だよね」と即答だ。
どうしてこうも 庇護欲の湧かない女 なのだろう…。
浮気 と 盾 どちらが痛手だろう…。
などと考えていると
「ちょっと!私の話聞いてるー?」
友人が3個目のケーキを頼みながら文句を言う。
まあ、大丈夫みたいだ。
とりあえず 私もケーキのお代わりをしよう。
女は 泣いて 食べて 喋りさえすれば
大抵どこででも元気になる。